おススメ品種:ラビットアイ編




※2017年度の評価はこちらをご覧ください。
2017 品種・果実評価 ラビットアイ編

ラビットアイのおススメ

昨今の日本の気象事情ではブルーベリー栽培のメインになってくる品種群です。
全体的な特徴として、樹勢が強く、収量も見込め、甘みがあるといった点が挙げられます。

以前も書きましたが、樹が大きくなるので広めのスペースが必要になります。
幼木時こそハイブッシュと変わりませんが成長すればかなり大きくなります。
露地植え・ポット栽培に関わらずよく考えて栽培してくださいね。

参考:【初心者向け】ブルーベリー購入する前に検討して欲しい事

それではおススメ品種を紹介しますね。

 

ブライトウェル

言わずとしれたブルーベリーの標準品種。
樹勢、収量、サイズ、甘さ、どれをとっても欠点は見当たりません。
惜しむらくは、広島での収穫時期は6月下旬~7月上旬になるので夏休みを楽しむ品種にはなりません。

余談ですが・・・

ブライトウェルは摘み取り園にはいいのですが
生果出荷には向きません。

ブライトウェルが収穫できる時期になると
市場にはブライトウェルばっかりになるので
市場価格がかなり下がります。

ラビットアイと言えばブライトウェルと言われるほど人気の品種で多くの方が栽培しており、Webや書籍でもたくさんのデータが揃います。
せらす果樹園では標準品種として扱っており、各種データの測定や比較にも利用しています。

オンズロー

大関ナーセリーさんのパテント品種です。
最晩生ですが、ブルーベリーシーズンの最後を飾る有望品種です。
(そうはいっても広島においても、最盛期はお盆までで8月いっぱいでなくなってしまいます)

ブライトウェルと同じく甘み系ですが、種感や皮感が少なく、味はブライトウェルよりおいしいと思います。

これといった欠点は見当たりませんが最晩生ゆえに開花時期が遅いこと。
また、若干奇形果が混じる印象です。最晩成品種なので開花時期も遅く
栽培品種が少ないと受粉相手に困るかもしれません。

オースチン

比較的新しい品種(1996年発表)ですが、同時期からはじまったパテント品種の台頭によって埋もれてしまった感じのある品種です。
個人的には甘み酸味のバランスよく、裂果にある程度耐えるので
おススメです。
(多少、種感が気になるかも)

他のラビットアイに比べて初期の生育は控えめですが、成木になると樹勢は盛んになり、あちらこちらからサッカーやシュートを伸ばしてきます。おすすめではありますが、大量のサッカーの発生に若干頭を悩ます品種でもあります。
収穫時期はブライトウェルの少し前になります(オースチンも広島では夏休み品種にはなりません)

ブライトウェルのせいで存在が霞んで見えますが個人的にはブライトウェルよりおススメです。

次点の品種達

・ベッキーブルー
生育が良くラビットアイでは珍しく酸味を感じる品種です。果実の食感(タネ感)が残念。
信頼できる苗木屋で取り扱っていないにも個人的にはマイナス。

・コロンバス
偏平果で大粒がとれます。生育も良く甘酸のバランスも良いです。収穫時期が他の優良品種とかぶるので使いどころに迷うかもしれません。
私は大関ナーセリーで購入しましたが、現在は取り扱っていないようです。

・ブライトブルー
大粒で育ちやすいのですが、雨でかなり裂果しやすいです。

・オクラッカニー
最晩生品種として有望ですが、剪定の影響を受けやすいようで実のサイズのばらつきが大きいです。
また、オースチンのように大量のサッカーを発生させるのも考え物。

・マル
樹勢が旺盛で徒長枝が多く発生します、剪定が面倒かもしれません。
収量も多いですが味は独特です。

 

これだけは選んだらダメ!

いわゆる御三家。

ホームベル

従来品種群の代表とも言えるラビットアイ:ホームベル。
どんなに剪定してもそこまで実は大きくならないようです。
収量を優先する剪定をすると小玉がたくさんとれます。
生果出荷だと収穫の効率を考えないといけませんので当園では使い物になりません。

また生育が旺盛でシュートやサッカーもどんどん生やしてきます。
徒長枝も多く剪定も大変なのでせらす果樹園では栽培していません。
受粉木としては優秀と聞きますが、ブルーベリーを多数植えている環境だと花粉に困らないのでその恩恵は少なくなります。

家庭でジャムを作るような用途に向いているかもしれません。

ティフブルー

ホームセンターでもあまり見なくなりました。
子にあたるパウダーブルーの方がいいです。こちらも実が小さいです。
(ホームベルよりは若干大きいです)

個人的にティフブルーは害虫がつきやすく、病気になりやすい印象です

ウッダード

上記2つに比べて樹勢も収量もいまいち。
そして何よりも結実不良が多いです。
色んな意味で栽培する理由が見当たりません。

全部列挙するのは難しいですが次の品種もできれば避けたほうがいいです。

・クライマックス
ラビットアイの極早生は魅力ですが味が・・・。果実品質が×です。

・デライト
病気になりやすく収量も少なめ。味が良いだけに残念。

・バルドウィン
収量はいいですが実が小さい分、収穫に手間取ります。

いい品種と悪い品種の基準点

色々と列挙してきましたが、これは全てせらす果樹園においての評価になります。
栽培環境によっては評価の良し悪しは簡単にかわってきます。

せらす果樹園においては

  • 果実品質(味・サイズ・果肉の締まり・果柄棍の状態)
  • 開花時期・収穫時期
  • 収量
  • 栽培管理の手間(剪定・防除・施肥)

これらの項目において品種の評価をしています。
この評価している項目は栽培している方の栽培方針や栽培環境で変わってくると思います。

そして「何が大事で、何を優先するのか?」というの考えがなければ良い品種を見つける事もできませんし、品種の評価はできません。
皆様もブルーベリーを購入する前にご自分の栽培方針や栽培環境を見つめなおして品種を選らんでくださいね。

まとめ

いかがでしたか?

ラビットアイは樹勢も強く、昨今の変動しやすい日本の気候状態でも安定した収量が見込めます。
しかし、一般的によく知られているホームベルやブライトウェルを手放しにおすすめできるわけではありません。

例えば、樹勢に関してもあまり良すぎると徒長枝がたくさん発生して剪定が大変になります。
どれが不要な枝なのか、どの枝を結果枝にするか。
ちゃんとした育成プランと剪定技術も必要になってきます。
剪定が甘いと実のサイズが小さくなり、収穫の手間がものすごく増えます。

そして、ラビットアイは全般的に甘み系が多く、夏の収穫は気温も相まってエグみを感じる事もあります。
個人的には若干酸味が残したほうがおいしく感じられると思います。
そのためにはきちんとした収穫時期を見極める技術が必要になってきます。

以上の事から、栽培は容易で収量も見込めるけど安定した果実品質を求めるには、手間と技術と経験が必要な品種群とも言えます。
とはいえ、初心者の方は枯らさない事が一番ですので、丈夫で育てやすく剪定や収穫、その他の管理栽培も学べるラビットアイがいいのかもしれません。

ラビットアイを選ぶポイント!

・生育が旺盛なだけな品種は選ばない

・栽培データを比較しやすい人気品種は取り入れるべき(どの品種群も同じことですが)

・ラビットアイで貴重な「風味が良い」と言われる品種は押さえておこう

2018/3/8 加筆・リライト




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2件のコメント

こんにちは!
楽しく読ませて頂いています。
「コロンバス」に関してですが、もうご存じかもしれませんが、大関ナーサリーさんは販売を再開しています。肥料をあげることが、実のならない原因だと解明された為、販売を再開したそうです。

これからも、記事を楽しみにしてます。
作業、大変かと思いますが、身体に気をつけてお仕事頑張って下さいね。

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