2017 品種・果実評価 ラビットアイ編




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自称「ブルーベリー栽培マイスター」
PC・カメラ・バイクなどメカ的グッズが大好き。
日本酒とワインをこよなく愛する。
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せらす

こんにちは、せらすです。

ラビットアイの収穫も終え、ようやくブルーベリーシーズンも終わりました。
今年の皆様のブルーベリーはいかがでしたか?
それでは2017年度のラビットアイの評価をしていきたいと思います。

せらす果樹園での出荷用ラビットアイは

  • オースチン
  • ブライトウェル
  • コロンバス
  • オンズロー
  • オクラッカニー

の5品種です。

受粉木として植えてある

  • クライマックス
  • ベッキーブルー
  • ブライトブルー
  • ディライト

こちらも収量がまとまった場合は出荷しています。
合わせて紹介していきますね。

ぬこ
9品種!長くなりそうだけどいいの?
せらす
読者の方に「なげぇ!」ってブラウザバックされそうで怖い。
ぬこ
文才でどうにかしなさいよ。

出荷用品種

オースチン

サイズ :★★★ 最大果はそれなりだがシーズン通して安定感あり。
味   :★★★★ ハイブッシュに似た味わい。
食感  :★★ タネ感が気になる。
収量  :★★ 他のラビットアイに比べて控えめ。
輸送性 :★★★★
樹勢  :★★★ 大量のサッカーをどう見るか。
総合評価:★★★ 悪くないですがもうひとつインパクトがほしいところ。

2016年度の収穫は7/1~
2017年度の収穫は7/7~

シーズン通してL~Mサイズが安定して収穫できます。
味はハイブッシュに近い味わいで甘酸のバランスが良い果実です。
風味は良いですがタネが大きいのか、タネ感が気になります。
収量はそこまで多くはありませんが、果肉は固めで輸送・選果性に優れます。
また雨による裂果耐性も他品種に比べて優れるようです。

個人的には好きな品種なのですが、今ひとつインパクトがなく
世間的には埋もれてしまった品種に思えます。
ちなみにオースチンが発表されたのは1996年。
比較的新しく、ブライトウェルの血統を引き継ぐ品種でもあります。
(ウッダード×ガーデンブルー)×ブライトウェル

概して丈夫な品種ではありますが、幼木期の生育はおとなしい印象。
成木になると、とたんにそこらじゅうの地面から
雑草並みにたくさんのサッカーを出してきます。

欠点は二つ。

一つは大量のサッカーの処理が面倒な事。
私は草刈りと同時にほとんどのサッカーは処理していますが
全てのサッカーを除去できるわけではありません。
手作業での除去がどうしても必要になってしまいます。

二つ目は果実の食感がイマイチな事。
上のほうにも書きましたが、どうしてもタネの食感が気になります。
皮感はあまり感じませんが食味の上ではマイナスかなと思っています。

タネ感は食感に悪影響を与えるだけでなく、味にも影響します。
タネを歯ですりつぶした時に、ヒマワリの種のような味を感じてしまいます。
被子植物なのでタネは仕方ありませんが個人的にはマイナス評価です。

総合的には安定感があって営利栽培には長所が多い品種だと思っています。
もう少し本数があってもいいかなと思うのですが
シーズン前半はハイブッシュ、後半はブライトウェルと収穫時期がかぶってしまうので
現状維持の予定です。

 

ブライトウェル

サイズ :★★ LL~Sサイズ。シーズン通して安定させるのは難しい。
味   :★★ 味が乗るまで時間かかる。
食感  :★★ タネ感あり。
収量  :★★★ 多収。不良果の除去が面倒なのでメリットかどうかは微妙。
輸送性 :★★★
樹勢  :★★★★ 夏季剪定が必要な品種。
総合評価:★★ 世間で思っているほどおススメできません。

2016年度の収穫は7/4~
2017年度の収穫は7/9~

シーズン最初はLL(2017最大果は24㎜)サイズが収穫できますが
シーズン後半はM~Sサイズになります。
果肉の硬さは普通、食感も悪くはありません。
(今時の品種に比べればタネ感は感じます)

味は・・・個人的にはあまり好きではありませんw
と、いうのも味が乗るまで時間がかかるのです。
シーズン後半まで甘味が乗ってこない印象です。
しかし、その時期はすでにLLサイズは収穫できないわけで・・・。
ちょっとしたジレンマを感じてしまいます。

そして完熟果は裂果に弱いです。
雨が半日降れば完熟果は裂果してしまうでしょう。
そしてシーズン後半は小玉ばかりになってしまう。
小玉や裂果した果実を放っておくわけにはいかないので
収穫や除去も大変な手間になります。

そんなこんなで豊産性な割には収穫率が悪い品種でもあります。
個人的にはリストラ対象です。
ブライトウェルの穴はオースチン&コロンバスで補えます。

樹勢については今更語るまでもありませんが
とにかく丈夫。の一言に尽きます。
成長自体はラビットアイとしては標準的。
(徒長枝の発生はホームベルやマルほどではありません)

剪定は面倒かもしれません。
剪定をキッチリしないと小玉ばっかりできてしまいます。
ブライトウェルの剪定は、枝と花芽で管理しないと
一つの結果枝にたくさんの実がついたり、一つの結果枝に大玉ばかりついたりと
非常にバランスが悪くなるのでこの点も要注意です。
また、小枝もたくさん出るので休眠時だけではなく夏季剪定もしたほうがいいと思います。

初心者にも育てやすいこと、豊産性であることにはメリットですが
生果出荷としてはあまりおススメできません。
摘み取り園ならいいのかもしれませんが
ブライトウェルの収穫は7月中になるので夏休み品種としては期待できません。

以上の理由からブライトウェルは営利栽培としては微妙な品種だと思っています。

 

コロンバス

サイズ :★★★★ LLやL~Mが安定して収穫できる。
味   :★★★ 甘み系でおいしい。早採りしても渋み果は少ない。
食感  :★★★★ 果肉は堅く食べ応えがある。タネ感・皮感も少ない。
収量  :★★★ 
輸送性 :★★★
樹勢  :★★★★ 比較的丈夫。露地植え2年目からの早期収穫の狙えます。
総合評価:★★★★ 入手しにくいですがブライトウェルの代わりに栽培してほしい品種。

2016年度の収穫は7/11~
2017年度の収穫は7/16~

シーズン最初はLLサイズが収穫できます。
最終盤ではMサイズになりますが、中盤以降も安定してLサイズが収穫できます。
食味は甘味系ですが、ブライトウェルよりタネ感が少なく皮も目立ちません。
シーズン序盤から味も乗っており、早採りしても渋み果は少ない印象です。
果肉も締まっており輸送性、選果性にも優れます。

裂果耐性はブライトウェルと同程度。
長雨には耐えられません。

樹勢は旺盛かつ丈夫です。
栽培方法にもよりますがせらす果樹園ではバークチップなしで露地植え2年目から収穫できます。

欠点は二つ。

一つ目。コロンバスは果粉(プルーム)が多い品種です。
収穫期の天候が良ければいいのですが雨が降ると
果粉が流れ、汚く見えてしまいます。
朝露ではあまり影響ないようですが・・・。
というわけでキレイな状態での完熟果は難しい印象です。

二つ目。現在(2017.9.1時点)では取り扱っている苗屋がないようです。
大関ナーセリーの2017カタログにも掲載されていません。
個人的にはブライトウェルよりオススメできる品種なのですが
手に入らないのではどうしようもありません。

せらす果樹園としては、ブライトウェルの代わりに置き換えていきたいのですが
取り扱いがないので現状維持の方向です。
今あるコロンバスを大事にしていきたいと思っています。

 

オンズロー

サイズ :★★★★ L~Mが安定して収穫できる。
味   :★★★ おいしいけど今ひとつインパクトに欠けます。
食感  :★★★★ タネ感・皮感少なく食べやすい。
収量  :★★★ それなりに収量はありますが・・・
輸送性 :★★★ 
樹勢  :★★★★ ブライトウェルほどではないが安心できる樹勢。
総合評価:★★★ 奇形果や収穫の難しさは営利栽培では悩みどころ。

2016年度の収穫は7/11~
2017年度の収穫は7/17~

LLサイズはあまりとれませんが、シーズン通してL~Mサイズが収穫できます。
タネ感も皮感も少なく、果肉は堅めで選果性・輸送性も問題ありません。

夏休み品種としてはオンズローがオススメです。
広島県沿岸部でもお盆ぐらいまでは十分に収穫出荷できます。

比較的、裂果耐性はあるようです。
ブライトウェルやコロンバスよりは雨に耐える印象です。

樹勢は旺盛でよく育ちます。
小枝やサッカーの発生が比較的少な目です。
その分剪定も楽な部類に入ります。

いいとこばかりの品種に思えますが
欠点ももちろんあります。
オンズローは3つです。

一つ目は奇形果が多い事。
シーズン後半は特に奇形果が目立ちます。
収量の1割程度は三角形の奇形果になる印象です。
剪定するときにあらかじめ奇形果が出ることを予見できればいいのですが
結実するまで奇形具合が分かりません。
従って、オンズローは剪定・花芽管理に対して実際の収量は1割減と見積もらないといけません。

ただし、結実不良とは違って奇形果は、食べても何の問題もないわけで
収穫までしっかり木の栄養を必要とします。
そのため、奇形果もその木が養える収量の1部に含まれているわけで
奇形果を考慮して1割多めに花芽を残すと
果実が1割増えた分の全体のサイズダウンなどの影響があるかもしれません。
その辺のバランスの考慮の難しさもこの品種も欠点かなと思います。

二つ目は収穫時にコツがいること。
何も考えずに収穫すると果皮がべろっとめくれてしまいます。
ねじるように収穫しないと果実をダメにしてしまいます。
これはサザンハイブッシュのニューハノーバーにも通ずるものがあるのですが
収穫のテンポがすごく悪くなってしまいます。
夏休み品種は炎天下での収穫になるわけで集中力も落ちやすいです。
こう言った事もデメリットかなと思っています。

三つ目は害虫が付きやすい事。
せらす果樹園では様々な品種を栽培していますが
7~8月のイラガが発生する時期に、必ず発生しているのがオンズローです。
もちろんオースチン・コロンバス・ブライトウェル・オクラッカニーなどにも
イラガは発生するのですがオンズローは百発百中で、しかも多めに発生します。

詳しいメカニズムはわかっていないのですが
蛾は嗅覚で行動するので何か特別な匂いでも発しているのかもしれません。

せらす果樹園のオンズローの総合的な評価ですが
オンズローは今後増やすかもしれません。
と、いうのも最晩生品種で他に優良品種がないのです。
デメリットはいくつかありますが、
正直に言うと「これしかない」から栽培している側面もあります。

 

オクラッカニー

サイズ :★★★ L~Mサイズが採れるがもう少し安定感が欲しい。
味   :★★★★ この時期のラビットアイとしてはおいしい。
食感  :★★★★ タネ感・皮感少なく食べやすい。
収量  :★★★ 剪定にかなり左右される印象です。
輸送性 :★★★ 
樹勢  :★★★★ 旺盛かつ丈夫。大量にサッカーを出してきます。
総合評価:★★★ 味以外にこれじゃなきゃダメという理由が見当たりません。

2016年度の収穫は7/28~
2017年度の収穫は8/1~

シーズン最初はLサイズ、稀にLLが採れますが
基本はL~Mサイズです。
甘み系でジューシー。この時期に収穫できるラビットアイとしては一番おいしいと思います。
果肉も締まっており、タネ感・皮感も少なく輸送性にも優れます。

樹勢はラビットアイとしては標準的です。
オースチンと同じくサッカーをたくさん出します。

ごくまれに斑(まだら)が入った葉が出てきます。
仲間内のオクラッカニーにも斑が確認されてますので
せらす果樹園だけの問題ではなさそうです。

広島県沿岸部では収穫時期がオンズローとかぶってしまいます。
そしてオンズローより若干早く終わります。
個人的にはオンズローの方が収穫期間が長く多収なので
オクラッカニーを積極的に栽培する理由がない、というのが本音。
(大関ナーセリーのカタログにはオクラッカニーの方が多収とは書いてありますが・・・)

また、剪定・花芽管理をしっかりしないと小玉ばかりできてしまいます。
全体的な収量はオクラッカニーの方が多いのかもしれませんが、
生産者目線で言えば、オンズローの方が剪定管理の手間が少なく感じます。

たくさん出てくるサッカーもマイナス要因です。
株元から2m以上離れたところにサッカーを出してきます。

果実品質はいいのですが、手間がかかるので営利栽培では微妙に感じています。
オンズローの方がオススメでしょうか。
営利栽培するならもうひとつインパクトが欲しいところです。

せらす果樹園では現状維持、もしくはリストラの予定です。

 

ぬこ
で、結局どれがいいのよ?
せらす
個人的にはオースチン→コロンバス→オンズローの3品種でいけるかなとは思ってる。
ぬこ
でもコロンバスは売ってないんでしょ?
せらす
そうなのよ。7月中旬~8月初旬に収穫できる優良品種が発表されてほしいね。

 

↓↓受粉木として置いてある品種も紹介します。↓↓

受粉木その他品種

クライマックス

7月の頭から収穫できる品種ですが
果実品質は同時期に収穫できるチャンドラーやオースチンには及びません。

果実サイズもM~S中心となりますし、裂果に弱い印象です。
この品種はせらす果樹園では出荷用には使っていません。

 

ベッキーブルー

果実はシーズン最初にLサイズ、以降Mサイズで安定します。
タネ感が多少ありますがハイブッシュに似た風味で中々良いと思います。
ただし収量はそこまで多くありません。

ラビットアイの中では早生品種で、クライマックスと同時期に収穫できます。
こちらも裂果に弱い印象です。
樹勢はそこそこ。土壌を選ぶようです。
ポット栽培では不調だったのですが、露地に植えるとぐんぐん成長した記憶があります。
個人的にはオースチン並みの評価を与えたいところですが、
信頼できる苗木屋では取り扱ってない事が多く、入手が難しい事から受粉木として扱っています。

 

ブライトブルー

果実はブライトウェルと同程度。たまにLL、以降はL~Mで安定します。
甘くて大きいですがタネ感・皮感が気になります。
収量は多めですが裂果に弱い印象です。

樹勢は強く、かなり大きくなります。
悪くない品種ではありますが、同時期にオースチン・ブライトウェル・コロンバスあたりの
優良品種が収穫できるため、受粉木として置いてあります。

 

ディライト

シーズン通してL~Mサイズが収穫できます。収量は少なめ。
味は濃く、ぶどうのような風味でおいしいです。
裂果にはそこそこ耐性があるようですが
果実が病気になりやすく、安定した出荷は見込めません。

また、直立性のために防鳥ネットをかけるなら夏季剪定は必須です。
病気になりやすく安定した収量が望めない、
管理も手間がかかるという事で本採用は見送って受粉木として置いてあります。

 

まとめ

2017年度のラビットアイの評価をまとめてみましたが
いかがでしたたか?

ハイブッシュに比べてラビットアイの新品種は少ないようです。
現行品種にしても日本の夏で8月一杯まで収穫できる品種はあまり多くありません。

今回挙げたラインナップは、夏休みの収穫を目指そうとするならば
全ての方が栽培されるであろう品種ばかりです。
広島県沿岸部の、せらす果樹園でのデータにはなりますが
皆様の参考になれば幸いです。

ぬこ
結局、選ぶほど品種はないって事ね。
せらす
ハイブッシュに比べると選択肢は少ないね。

 

それでは今日はこの辺で。

バイバイ!

 




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