みなさんこんにちは。
いつかはやらなくてはならないと思っていたこの企画。
せらす果樹園ブログにお寄せ頂いたご質問・ご相談に答えていくコーナーをやっていきます。
質問内容は抜粋です。
それでははじめていきましょう。
質問
Q.去年はたくさん採れたのに今年は全く実ができなかった。
2年前(2017年春)ブルーベリーを3
3株の内
2017年夏には収穫に困るくらい沢山の実がなりましたが昨年は
この冬、剪定をしましたがよく分
今年の夏の収穫も望めないのでしょうか・・・
(長野県 Kさんより)
A.今年は捨てて樹勢維持と樹形を整える事に専念すべし
背丈が1m前後ということは、まだ成木になっていないと思われます(一部の矮小化品種を除く)。
と、いうことは植えたばかりの若木であるにもかかわらず、たくさんの実を結実させ収穫してしまったのではないでしょうか?
ブルーベリーを新規に植えた場合、土壌に慣れさせる為に最低でも1年は花芽を摘んで、実をつけないほうが今後の成長に有利と言われています。
とはいえ収穫してしまったものは仕方ありません。今年は回復と成長を目標に栽培していきましょう。
↑古い写真ですが植えて2年目のサザンハイブッシュ
・施肥について
弱っている木は肥料を多く吸えません。たくさんあげても雑草が育つだけなので控えめに与えてください。具体的に言えば植えて2~3年目の施肥量です。露地栽培と思われますので年間チッソ10~15gが目安かと思います。肥料の種類は油かすや緩行性肥料などが良いかと思います。あとは葉の状態を見ながら与えてください。
(参考:ブルーベリーに肥料を与えるときに本当に考えて欲しいコト。)
・潅水について
露地植えで適度に雨が降っているならあまり気にかけることはありませんが、初夏~秋口にかけて新梢がうなだれるようなら潅水を行ってください。ちなみに潅水はゆっくりと水がしたたるぐらいの早さで長時間行ったほうが良いです。バケツやホースで水をドバっとかけても表土排水され、ブルーベリーの根に水が届いてないことが多いです。
・暑すぎる?
2016~2018は広島は35度を越える猛暑日が続いていましたがブルーベリーの生育にはあまり問題なかったように思えます。品種にもよりますがブルーベリーの地上部は強靭なので日本の暑さぐらいではへこたれることはないかと思います。
問題は地温の方で、バークチップなどの有機物が堆積していない土壌では地温の変化が激しくなり根の成長が妨げられてしまいます。このような場合はマルチ(グランドカバー)が必要です。バークチップやモミガラ、刈った雑草などを利用してブルーベリーの周りの地面を保護してあげてください。これが地温の安定にもつながりますし、土壌に有機物を与える事にもなります。
↑バークチップが手に入れば文句はありません。なければ刈った雑草とかでも大丈夫です↓
(参考:せらす果樹園通信 干し草マルチ)
・剪定について
剪定については文面で伝えるのは本当に難しいです。
主軸枝から離れた所に生える枝(サッカー:ひこばえ)は切ってもらってかまいません。放っておくと樹形が乱れる元になります。大事にすべきは株元から生える枝(シュート:枝条)です。シュートを根元から切っていては古い枝の結果枝にしか結実しなくなり生産性は落ちていきます。シュート自体は長果枝にしかならないので、これまた生産性は高くありません。
シュートを都合のいいところで剪定して来年の結果枝(短果枝)をたくさん出す枝に仕立てること、毎年数本のシュートを確保していくことが生産性を高めるコツとなります。
(参考:ブルーベリー 未来へつなげる基本の剪定術)
↑こんな感じのシュートが毎年確保できれば文句ありません
まとめ
今年度は収穫をあきらめて樹勢の回復、樹形の構築をメインに栽培してみてください。
昨年できたサッカーやシュートはバンバン切ってしまったとの事ですが、根が生きていれば復活の可能性は高いです。
今年は結果枝は少ないでしょうし、木も弱っていると思います。無理はさせず養生に努めて来年度に向けてがんばっていってください。
最後に
せらす果樹園ではブルーベリーに関する栽培のご相談・ご質問を受け付けております。ブルーベリーに関するお悩みがあれば「お問い合わせ」←こちらにお寄せください。
それでは今日はこの辺で。
バイバイ!