こんにちは、せらすです。
ようやく梅雨に入りましたね。
気象台の発表によれば中国地方の梅雨入りは6/7となっています。
と、同時に早生品種の収穫も始まっています。
せらす果樹園では6/11より「道の駅 湖畔の里 福富」に出荷しています。
今週はSHサファイア・SHスターがメインですが来週あたりからSHニューハノーバーやSHサウスムーンも出荷ラインナップに加わると思います。お立ち寄りに際にはお求め頂けると光栄です(宣伝w)。
収穫したSHスター。
9割程度は18~21mmのLサイズが収穫できています。
※せらす果樹園では食品加工用のラテックスグローブを装着して収穫しています。
糖度も14.2でした。
この時期のハイブッシュとしては満足できる数字だと思います。
梅雨の何が問題なの?
さて梅雨時期ですが、ブルーベリー愛好家の方にとっても「栽培が難しい・・・。」と感じる時期なのではないでしょうか。
もちろん、ただ栽培するだけなら問題はないのですが・・・。
栽培を難しくしているのは、極早生品種の収穫がこの時期から始まるためです。
雨は、収穫時期の果実に多大な影響を及ぼします。
雨がたくさん降ると吸収した水分で果実が割れてしまいます。
(裂果といいます。同様の理由で夏の夕立やゲリラ豪雨、台風などでも裂果は発生します)
ですので、梅雨の何がいけないかと言うと普段よりたくさん水が撒かれる事が問題なのです。
裂果は木全体に及びます。
しかも「熟期の果実から」割れていきます。
こうなるとせっかく栽培したブルーベリーが台無しになってしまいます。
特に「根と水分」の逃げ場がないポット栽培では顕著なようです。
露地植えの場合も水はけが悪いと裂果の可能性は高いです。
さらに果実の味自体も、水で薄めたようなぼんやりした味になってしまいます。
どうしたら防げるの?
ではどうやったら防げるのでしょうか?
正直に言うとビニルハウスのような屋根を作ってチューブによる潅水で栽培するぐらいしか完全に防ぐ方法はありません。
しかしそれでは膨大な設備費がかかります。
ブルーベリーはそんなに儲かる作物ではないので(笑)
趣味でなければ過大な設備投資はお勧めできません。
ですので、露地の場合は畝にするのがお勧めです。
第1農園は元が田んぼで「土」でしたので高さ30cmぐらいの棒状の畝にしています。
第2農園は「砂地~やや土」でしたので高さ15cmぐらいの円形の畝になっています。
なお、ここでは透水性だけに着目して話をしていますが、透水性以外にも、降水量や地下水位などの問題もあるため、一概に「この高さがいい!」とは断言できません。
大事なのは、
「裂果は降雨だけでなく水はけや土壌組成など様々な要因がある」
ということを知ることだと思います。
裂果を防止しようとしても畝の高さは高ければいい、という話でもないので注意してください。
防鳥ネットの高さにも気を使いますし、乾燥にも弱くなります。
草刈りや肥料などの管理作業も手間が増えます。
ポット栽培の場合は話は簡単です。
裂果が発生するようなら、
- ポットの下に何か置いて浮かせてみる
- 置き場所を変える
- 鉢の形状や深さを変えてみる
- 用土やマルチを変えてみる
などを試してみてください。
まとめ
いずれにしても日本における極早生品種の栽培は梅雨の影響で果実品質が落ちたり、裂果してしまいがちです。
以前の記事で何度も書いていますが極早生品種の栽培をお勧めできないのは上記の理由からです。
(開花時期や訪花昆虫の問題もあります)
この梅雨問題の解決には試行錯誤する以外に最適解が出せませんので
(気候や土地が違えば数字も変わりますので)初心者の方は気をつけてくださいね。
まとめとしましては
- 梅雨と収穫時期の重なる品種の栽培は避ける
- どうしても栽培するなら植え方や管理方法に注意する
実際に考慮すべき点としましては
- 露地植え:裂果しにくい畝の高さを試行錯誤で見つける
- ポット栽培:置きかた・鉢の形状・用土の種類を試行錯誤で見つける
という事になります。
裂果に困った際はこれらの事を検討してみてくださいね。
皆様のブルーベリー栽培の一助になれば幸いです。
それでは今日はこの辺で。
バイバイ!