※今回の記事はカメラの専門用語が多く出てきます。ご注意ください。
どうもこんにちは、せらすです。
私、カメラが好きなので何台か持っています。
デジタルカメラにも色々ありまして、写真を左右するのは「センサー」と「レンズ」と言われています。
レンズは用途で変わるので一概には言えないのですが、昨日の記事「せらす果樹園通信 Vol.5 マクロレンズで花芽」を書いているうちに「センサーの違いで写りはどれくらい変わるんだろう?」と思いましてマクロレンズを用いて、フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの比較をしてみることにしました。
デジカメのセンサーって何?
ここでいうセンサーはカメラの撮像素子(イメージセンサー)の事。フィルムカメラで言うフィルムにあたる部分。それぞれのセンサーサイズは以下の通り。
フルサイズセンサー:36×24mm APS-Cセンサー23.4×15.6mm
センサーの大きな方が1画素あたりの受光量が多くなり、画質が良くなる傾向があります。
機材と条件
機材
・フルサイズセンサー:Canon EOS-1DX Mark2(2016年2月発売)※以下:1DX2
・APS-Cセンサー:Canon EOS-7D Mark2(2014年9月発売)※以下:7D2
ともに自社生産の約2020万画素、ギャップレスマイクロレンズ搭載のデュアルピクセルCMOSセンサーです。
・レンズ:Canon EF100mm 2.8L macro IS USM
撮影条件
三脚を立てて、ライブビューでタイマー撮影。ピクチャースタイルはオートです。絞りはF11で固定。風が強かったので被写体ブレを防ぐためにシャッタースピード1/320以上になるまでISOを増感しています。
最短撮影距離(約30cm)でRAWで撮影してDPP4でパラメータ変更せずに現像後、比較しています。
用語解説
ギャップレスマイクロレンズ:センサーには集光効率を上げるために表面に微細なレンズが付いている。その微細なレンズ同士の隙間を無くしたのがギャップレスマイクロレンズ技術。集光効率を大幅に高め高画素化や高ISO出力に貢献している。
デュアルピクセルCMOS:一つの画素に二つのフォトダイオードで構成されたキャノン独自の半導体技術で製造されたCMOSセンサー。センサー上で位相差を利用したAFができる。ライブビュー撮影時などでデュアルピクセルCMOSから得た情報で位相差AFを利用することができる。
ライブビュー:光学ファインダーではなく、背面液晶を見ながら撮影する機能。リターンミラーが開いている状態なのでシャッターを押したときのブレ(ミラーショック)が生じにくい。
ピクチャースタイル:キャノン独自のカラーマトリクスと現像パラメータ。「ポートレート・風景・ニュートラル・モノクロ」など各シーンにおいて色合いを調整することができる。
RAW:未現像データ。いわゆる生データ。
DPP4:キャノン独自のRAWデータ現像ソフト。Digital Photo Proffesional 4の略。
結論
同サイズであればフルサイズセンサー(1DX2)の方が画質がいいです。APSーCセンサー(7D2)の方が大きく写せる(センサーサイズ的に)のでマクロ撮影では有利。
ですが最終的にはどっちもかわんなくね?ってレベルの差です。
以下、比較です。
比較
先に1DX2です。ちなみにSHレガシーの花芽です(スズメの涙程のブルーベリー要素w)。
ピントは中央の花冠の先端にあわせてあります(ライブビュー10倍拡大で合わせました)。
センサーサイズが小さいので約1.6倍ほど大きく写っています。
(APS-Cセンサーの方がセンサーが小さい分、画角が狭くなって大きく写ります)
それでは1DX2の写真をAPS-C相当(1.6倍)にしてみましょう。
はい、もうどっちがどっちか分かんないですよねw
Webで見る限りは優劣つけれないと思います。
あえて言うなら、7D2は線が太めでボケが小さく、ちょっと赤が強い。
1DX2は線が細めでボケが大きく、ちょっと黄色が強い(いずれも個人の感想です)。
画質的にはほとんど変わりませんね。
しかし、実際のところ1DX2は「3420×2280・約780万画素相当」でこの画質なわけで、「あまり変わらない」事は驚くべきことなのかもしれません。
トリミング耐性
それでは7D2のトリミング耐性はどうなのでしょうか。
トリミングの限界というのは「その人の許せる画質まで」ということで特に決まっていません。ですので私が許せるのは50%ぐらいなので、50%で比較してみましょう(等倍比較はあまり意味ないと思っています)。
7D2の方がちょっとくっきりしてるかな・・・?そしてちょっとノイジーかな・・・?
1DX2の方がダイナミックレンジが広いかな・・・?(しつこいですがいずれも個人の感想ですw)
それぐらいしか差はありません(少なくともWeb掲載用途であれば)。
正直どっちがどっちかわかりません。
この写真だけを見て「あ、こっちフルサイズセンサーだよね!」って言える人いたらすごいです。私には分かりません。
実際、どれぐらいの部分を表示させているかと言いますと・・・
7D2でこれぐらい(50%:2436×1824 499万画素相当)。
1DX2でこれぐらいです(50%の÷1.6:1710×1140 194万画素相当)。
すごくないですか?w
ちなみに7D2を同サイズ(1710×1140 194万画素相当)にすると
さすがにジャギーやノイズが目立ってきます。Web掲載用途でもギリギリ・・・アウトかなw
まとめ
いかがでしたか?
マクロ撮影として使うカメラではAPS-Cセンサーとフルサイズセンサーのどちらがいいのか?という内容で記事にしてみました。
個人的には「マクロだけ」ならどちらでもいいですw
ですが、フルサイズセンサーの方がトリミング耐性が高く、あとからAPS-C並みに拡大できる事や、広く写せること、フルサイズセンサーのレンズはAPS-Cセンサーのカメラと共有できることから(逆はダメ。APS-C専用レンズはフルサイズカメラに使えない)、資金に余裕があればフルサイズセンサーのカメラをお勧めしたいところです。
皆様も素敵な農園フォトライフを送ってくださいね。
それでは!
2018.3/7 加筆・修正
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