こんにちは、せらすです。
以前、おすすめブルーベリー品種をご紹介しましたが通販でしか手に入らないモノや、入手困難なものが混じっていました。
そこで実際にみなさんが購入されるであろうホームセンターで見かけるブルーベリーの品種からおすすめの品種とその理由を紹介したいと思います。
店頭に並んでいる品種を調べてみた
調べてきたのは近くにあるホームセンター5店舗。
- ユーホー 東広島店
- DAIKI 土与丸店
- ジュンテンドー 高屋店
- ナフコ 本郷店
- コメリ 広島河内店
実際に店頭にあった品種を列挙します。(2017年2月27日現在)
ユーホー 東広島店 |
DAIKI 土与丸店 |
ジュンテンドー 高屋店 |
ナフコ 本郷店 |
コメリ 広島河内店 |
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NH | バークレー デキシー |
デキシー | ヌイ スパルタン |
あまつぶ星 おおつぶ星 |
デューク シェラ スパルタン ブリジッタ エリザベス パトリオット |
SH | ブルーリッジ サミット ジョージアジェム マグノリア ビロキシー ガルフコースト ミスティ ジュエル クーパー シャープブルー サンシャインブルー ケープフェア* サミット* アーレン* |
ブルーリッジ ジョージアジェム ビロキシー ガルフコースト ミスティ サンシャインブルー シャープブルー オニール ヒトミ |
ミスティ サンシャインブルー オニール ケープフェア |
ミスティ サンシャインブルー オニール ケープフェア |
ビロキシー ガルフコースト ミスティ サンシャインブルー オニール ケープフェア ブルークリスプ |
RE | ホームベル | グロリア ブライトウェル ノビリス モンゴメリー オースチン コースタル ティフブルー |
ウッダード メンデイトー ティフブルー プレミア ホームベル |
ブルージェム ウッダード ティフブルー サウスランド |
プレミア アイラ マイヤーズ コースタル タカヘ ブルージェム ウッダード キャラウェイ パウダーブルー ブライトウェル フェスティバル ラヒ オノ バルドウィン アリスブルー |
NH:ノーザンハイブッシュ SH:サザンハイブッシュ RE:ラビットアイ
※は接木苗 青字は栽培経験なし(評価できません)
※スマホなどは表を横スクロールできるようにしました。2017.2.28追記
数えてみて驚きましたがホームセンターにあるブルーベリー苗だけでNH11品種、SH16品種、RE23品種と合計50品種もあるんですね!これでは迷うハズですね・・・。
(てかコメリのラインナップぱねぇっす・・・さすが農家の味方)
価格帯は1000円前後で売られている事が多いようです。安いものは300円~からありました。接木苗は2000円程度で販売されているようです。
どれを選べばいいの?
上記の表から、せらす果樹園がおすすめする初心者の方が最初に選ぶべき品種は以下の通りです。
サザンハイブッシュの場合
オニール×シャープブルー
ラビットアイの場合
ブライトウェル×オースチン
初めての方はこの組み合わせでの購入・栽培をおすすめします!
なんでこの組み合わせ?
家庭菜園において最も重視すべきは育てやすさです。家庭菜園、特に初心者の方やお勤めの方は、たくさん時間とれる方は少ないでしょうからある程度は放任栽培で育ってくれないと困るわけです。
以前の記事でも紹介しましたが、ノーザンハイブッシュの栽培は手間がかかる上に、栽培自体が難しくおすすめできません。ですので、「ポット栽培でも育てやすく、収穫までこぎつけやすい」事を念頭にせらす果樹園での実績も踏まえて、おすすめ品種を選びました。
(上記の表からあえてNHを育てるのであればエリザベス・パトリオット・デューク・ブリジッタあたりがおすすめ)
そしてもう一つ重要なのは開花時期です。いくら丈夫に育って、訪花昆虫が来ても開花時期が揃わなかったら意味がありません。せっかくブルーベリーを育てるのであれば収穫したいですよね?ですので開花時期ができるだけ重なるような品種を選んでいます。
他に家庭菜園で問題になるのは栽培スペースでしょうか。
サザンハイブッシュ系統:オニール×シャープブルー
ラビットアイ系統:ブライトウェル×オースチン
この中で最も大きくなるのはブライトウェルです。栽培スタイルにもよりますが、高さ2m以上になります。
せらす果樹園の栽培では
- ブライトウェル 2m前後
- オニール 1.8m前後
- オースチン 1.5m前後
- シャープブルー 1.2m前後
ぐらいの高さに育っています。
幅に関して言えば、ポット栽培するとしてもやはりラビットアイ系は大きくなります。仕立て方で変わってきますが十分な栽培スペースが必要になります。
例えば、10号鉢でできるだけコンパクトに栽培するとしても、管理のしやすさを考えると最低でも株間1mは必要でしょう。巨大な60cmポットなどで露地植えのように栽培するなら株間2mぐらい必要です。
(ようするに葉と葉が触れ合ったらダメです。栽培管理ができなくなりますし害虫も発生しやすくなります)
栽培面積が多く取れない方は自家受粉する品種がおすすめです。上記の表で言えば、NHデューク・SHサンシャインブルーなどです。これらの品種はそれなりに育てやすいですし、一本だけの栽培でも自家受粉するので訪花昆虫さえ来れば収穫を楽しめると思います。
(それ以外のハイブッシュ系品種でも、一部の品種を除いて5~7割は自家受粉するようです)
また、これらの品種を選んだ理由は他にもあります。
それは「標準品種」や「有名な品種」という事です。
昨今はインターネットの普及で色んな情報が簡単にたくさん得られるようになりました。とはいえ、数百品種もあるブルーベリーを全て栽培して、厳密に比較してデータを掲載しているサイトは見たことがありません。
そういった状況ですので、色んな書籍やWebで情報が検索しやすい「標準品種」「有名な品種」というのは大きなメリットがあります。比較対象が多いので自分の栽培状況が把握しやすいのです。初心者の方はそういった品種に的を絞って、栽培技術が向上してから色んな品種を栽培してみる、と言ったステップアップをおすすめします。
標準品種や有名品種を紹介しておきます。
ブルーベリー御三家
ホームベル・ティフブルー・ウッダード標準品種
ノーザンハイブッシュ:ブルークロップ
サザンハイブッシュ:オニール
ラビットアイ:ティフブルービッグセブン
コビル・バークレー・ブルークロップ・ハーバート・アーリーブルー・ブルーレイ・コリンズただし、ここで紹介しているのは古い品種群になります(10年ぐらい前から言われている品種です)。情報はたくさんあるものの「果実の大きさ、栽培のし易さ」などでは昨今のパテント品種などには敵わないかもしれません。
と、いうわけで個人的には・・・
新・御三家
ブライトウェル・パウダーブルー・オースチン新・標準品種
ノーザンハイブッシュ:スパルタン
サザンハイブッシュ:オニール
ラビットアイ:ブライトウェル「どこでも入手できる・パテントがかかっていない・知名度が高い」ということで、こんな感じかなと思っています。
(スパルタンは栽培が難しいですがNHの醍醐味とも言える品種かなと思います)
ここまで来て言うのも何ですが
やはりブルーベリー苗は専門の苗業者からの通販がおすすめです。今回色々なホームセンターを見て回りましたが、当然の事ながら店ごとに苗の品質や管理にかなりの差があるのです。
今年度に入荷した苗ならダメージは少ないのですが長期間、日陰においてあったり、極度の乾燥状態にあったりと適切な管理がなされているとは思えない状態の苗もあります。
また、ホームセンターのラベルの品種表示もイマイチ信用できない感もあります(個人的には品種が分からなくなったブルーベリー苗は価値ナシと思っています)。ですので信頼のおける苗業者から通販で購入する事をおすすめします。
私はもっぱら大関ナーセリーさんから購入していますが、届いた苗のサイズはほぼ同じで非常に管理しやすいです。また大関ナーセリーさんのHPには、品種ごとの開花時期や収穫時期などのデータがきっちりカタログに記載されています。単純に鵜呑みはできませんが参考や比較はしやすいと思います。
金額自体はたしかにホームセンターで購入するよりも高くつきますし送料もかかりますが、苗の品質・情報などの価値を考えると決して高くないと思っています。
※私は大関ナーセリーさんの回し者でも何でもありません。頼まれてもいませんし1円ももらっていません。
そして他のいくつかある苗業者さんに実際に注文し、届いた苗の状態・品種のラインナップ・カタログ情報などを比較した上で大関ナーセリーさんをおすすめしています。
とはいえ実際問題として、最初の購入先がホームセンターという事はよくあると思います。ですので、ホームセンターの苗は「当たり外れがあるという事」と「それを回避するための目利きが必要」ということを知っておいてください。
ホームセンターと違って大関ナーセリーさんなどの苗業者さんは、どの苗も同じ品質で送られてくるのが当たり前です。しかしホームセンター(店頭)で苗を選ぶ場合、品質を選ぶのは「あなた」になります。
ですのでホームセンターで苗を選ぶ場合は
- ラベルが古くないか
- 花芽の状態はどうか
- 根の状態はどうか
という事をよく見て購入してくださいね。
参考記事:【解説動画付】選んではいけないブルーベリー苗 3つの見分け方+1 |
まとめ
ここまでの話しをまとめてみます。
①初心者の方が重視すべきは「育てやすさ」。そして収穫の為に「開花時期」を合わせることが重要です。そして「栽培スペース」もよく考えておいてください。
②栽培スペースが確保できない場合は「自家受粉できる品種」を選ぶ。
③他の判断材料として「標準品種」や「有名な品種」を選ぶのも良いと思います。
④できれば購入はちゃんとした苗木屋で。大関ナーセリーさんがおすすめです。ホームセンターで購入する場合は当たり外れに注意すること。
最後に
いかがでしたか?
今日は実際にみなさんが購入されるであろう、ホームセンターにおいてあるブルーベリー苗のラインナップや家庭菜園においてその中からどれを選ぶべきか、そしてその理由。他にもそのリスクについて記事にしてみました。
みなさまが家庭菜園においてブルーベリーの品種を選ぶ一助になれば幸いです。
それでは今日はこの辺で。
バイバイ!
※2018.1.31 加筆
※2018.3.12 加筆
※2018.5.20 加筆
※2018.5.22 加筆
[…] 参考:家庭菜園でのブルーベリー栽培。品種はどれを選ぶべき? | せらす果樹園 (serathfarm.com)2021年3月21日 […]