こんにちは、せらすです。
初心者向けブルーベリーの栽培本は多くありますが一体どこが境目で「脱ビギナー」なのでしょうか?
個人的には、ポット栽培で言えば、
「栽培3年目・10号鉢(植え替え2回目)」
が脱ビギナーのひとつの目安かな、と思っています。
ですので、園芸初心者の方やブルーベリー初心者の方は「栽培3年目・10号鉢」を目標に、脱ビギナーを目指してがんばって頂きたいと思います。
なぜ栽培3年目・10号鉢なのか
脱ビギナーを栽培3年目・10号鉢に設定したのがワケがあります。
まず、前提条件として「一通りブルーベリーの栽培・管理の経験」がある事。
そして脱ビギナーとして重要なのは、
- 収穫後に枯れていない
- 翌年の収穫ができる樹勢・樹形がキープできている
この2点がブルーベリー栽培にとって重要なことだと思います。ブルーベリーは野菜ではないので、収穫して終わりではありません。毎年、継続的に収穫できるように管理していく事が大切です。ですので、これができればブルーベリー栽培の初心者を卒業したと言えると思います。
脱ビギナーの条件
- 一通りブルーベリーの栽培・管理を経験していること
- 収穫後に枯れていない
- 収穫後に樹勢・樹形がキープできている
栽培3年目10号鉢ができているなら、これらは達成できているはず!
それでは脱ビギナーに向けて、年次ごとの栽培ポイントを書いていきます。
1年目
2年生の苗を購入した事にします。苗が出回るのは秋から春先までのブルーベリーの休眠期になります。購入したらすぐに適切な用土と鉢に植え替えて、花芽を取り除いてください。最初の植え替えには6号鉢がいいでしょう。あとは日当たりや潅水などの基本的な管理をするだけで初年度は問題ないはずです。
参考記事
肥料についてですが・・・。初年度の肥料は必須ではないと私は考えています。ですが、植え替えて1ヶ月以上経過して新梢が順調に発生しているようであればチッソ5g程度与えてみてください。けっして木の調子が悪い時に肥料を与えてはいけません。
余裕があれば、枝がどのように伸びていくか観察しておいてください。剪定するときのイメージ作りに役立ちます。順調にいけば夏から秋にかけてシュートが何本か発生し、各枝では花芽分化が行われるはずです。
1年目の栽培ポイントまとめ
- 購入した苗はすぐに植え替える
- 花芽は全て取り除く
- 肥料は控えめに・調子が悪い時は与えない
- 日々の管理(水遣り・観察)は忘れずにする
2年目
1年目の冬に剪定&植え替えを行ってください。順調にいっていれば、6号鉢は根でいっぱいになっているはずです。次は8号鉢に植え替えましょう。剪定は、不要な小枝を取り除くと共に、花芽を9割程度取り除いてください。
肥料はチッソ10gを春と初夏に2回、6:4の割合で与えてください。
(水遣りや降雨が多い地域では、春・初夏・夏で4:3:3の3回がいいかもしれません)
補足
ここで言うチッソ10gは実チッソ量の事です。
例えば10-10-10の肥料を使ってチッソ10gを与える場合は、100gの肥料を与える事になります。上の例で言えば10-10-10の肥料を春に60g、夏に40gです。
2年目の管理はこれぐらいです。あとは1年目と同じように適切に管理してください。2年目はブルーベリーの花が楽しめると思います。訪花昆虫が飛来するかもチェックしておいてください。全く来なければ、鉢の設置場所を変更したり、人工授粉などの準備をする必要があります。特にベランダや屋上、付近に農薬を散布するような場所では注意が必要です。
無事、受粉が済んだら花冠と柱頭は落下し、子房が上に向いて果実肥大が始まっていきます。初夏には収穫できると思います。自家製ブルーベリーを味わってみてください。
注意点ですが、果実肥大中に新梢の発生や成長が止まったら、すぐに実を摘んでください。そのまま果実を成らせると、高確率で枯れます。無理に収穫しても果実は小さく、美味しくなりません。
補足
ここでの表現「果実肥大中に新梢の発生や成長が止まったら」が分りにくかったので補足します。
果実が肥大するのは①幼果期と③の最大肥大期になります。この時期に新梢が発生しなかったり、木が成長していなかったら実を摘んでください。②の肥大停滞期は、健康状態に関わらず木の成長も停滞します(1次成長終了のタイミングと重なります)。
大雑把に言うと
①幼果期:5月(果実も木も成長する時期)
②肥大停滞期:6月(果実も木も成長が止まる時期)
③最大肥大期:7月(果実も木も成長する時期)
ぐらいのイメージです(品種や栽培地域によってタイミングは変わります)。木が成長すべき時期に成長しなかったら、生育不良を疑ってみてください。
順調に生育していない原因はたくさんの要因があるので一言では語れません。疑うべき要因は「土作り・日照・鉢の色や形状・水遣り・水はけ・害虫・病気・肥料」などとたくさんあります。一つずつあたってみてください。
注意点としては、弱っている株に肥料を与えないように注意してください。多くの場合、弱っている原因は「肥料が少ないこと」ではありません。特に「硫安」などは禁物です。
余談になりますが、私は夏季剪定はほとんどしていません。よっぽど枝が混みあったり、徒長枝が防鳥ネットに届いた時だけ行っています。いたずらに樹形をいじらないほうが冬季に剪定しやすくなると考えています。
2年目の栽培ポイントまとめ
- 冬に8号鉢に植え替え&剪定
- 花芽を9割程度落とす
- 肥料は年間チッソ10gを目安になx2数回に分けて与える
- 訪花昆虫が来るかチェック
- 果実肥大時期は新梢の状態をチェック
3年目
2年目の冬に同じように剪定&植え替えを行います。8号鉢の根がいっぱいになっていれば10号鉢へ植え替えましょう。
ここで脱ビギナーを宣言できるかどうか。きちんと栽培3年目・10号鉢に植え替えれましたか?
もし「根がいっぱいになっていない・株を抜くと鉢の底に土が残る」状態であれば鉢増しするべきではありません。このような時は根を崩さずに新しい用土に交換して、同じ鉢もしくは9号鉢に植え替えてください。
根が回ってない用土は分解が進んで、泥状になっている可能性があります。根が酸欠になり成長が阻害されてしまいますので、株を抜いて根や鉢の底の用土の状態を必ず交換してください。
そしてこのようなケースでは翌年の収穫は控えめにしてください。7割の花芽を落とすイメージで。それでも新梢の状態が悪くなったら全ての実は落としてくださいね。
無事10号鉢に植え替えできたのであれば、主軸枝は2~3本以上になっていると思います。この場合、剪定の基本にのっとって不要枝を落とすだけで大丈夫です。3年目の肥料は窒素15gを目安に、2年目と同じように与えてください。
他の管理は2年目と同様です。
3年目の栽培ポイントまとめ
- 10号鉢に植え替え&剪定
- 根が回ってなければ無理に10号鉢にしない
- 古い用土は交換
4年目以降
4年目以降の栽培管理は3年目と変わりません。肥料はチッソ20gを例年と同様に与えてください。
(翌年以降、チッソを5gずつ増やしてください。MAX30gまで)
参考施肥量 | 年間に与える 窒素量(g) |
1年目 | 5 |
2年目 | 10 |
3年目 | 15 |
4年目 | 20 |
5年目 | 25 |
6年目以降 | 30 |
本数が増えたり、木が大きくなってくると害虫がつきやすくなりますので注意してください。ブルーベリーにはコガネムシだけでなく、カミキリムシやイラガなどたくさんの害虫が発生します。
鉢増しですが、根と用土の状態を見ながら行ってください。具体的には、「鉢内が根でいっぱいになっている・用土が泥化している」を目処に鉢増し・植え替えを行ってください。
最大でラビットアイなら60cm鉢、サザンハイブッシュなら45cm鉢と思って頂ければ大丈夫です(もっと大きな鉢でも良いですが移動が困難になり、ポット栽培のメリットがなくなります)。
達成できなくても落ち込まないで
個人的には、
- 1年目の夏に枯れる
- 2年目の収穫後に枯れる
- 2回目の鉢増しで10号鉢に植え替えれない
の3つが最大つまづきポイントだと思っています。
それぞれの原因は
- 基本的な管理(日当たり・水遣り・土作り)ができない
- 結実させすぎ
- 害虫の発生
- 水・肥料を与えすぎ
- 害虫や天候(外的な要因)
と言えると思います。
しかし、個人的には・・・ブルーベリー栽培を諦めてほしくはありません。問題をしっかり考えて栽培を続けていけば、3年目・10号鉢は
超えられない問題ではないと思っています。ぜひご自分でブルーベリーを収穫して頂きたいと思っています。
最後に
いかがでしたか?
今回は「脱ビギナー!初心者は栽培3年目・10号鉢を目指せ!」という事で記事を書かせていただきました。いろいろ字足らずな部分はあると思うのですが、私としては「ブルーベリーがもっと身近に」に。そして「おいしいブルーベリーを自家製で」作って頂ければ、と思っています。何かご質問等あれば何でもお寄せください。
それでは今日はこの辺で。
バイバイ!
2017.5.1 修正&追記
2018.1.30 修正&追記
2018.5.24 修正&追記
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