こんにちは、せらすです。
今日はブルーベリーってどんな植物なのか?という事を書いてみようと思います。
でもやっぱそれだと不親切かなって最近思うようになったのよ。
ブルーベリーとは
北アメリカ原産の落葉果樹(一部は常緑性)。
生物学・分類学的に言うと「ツツジ科・スノキ属・シアノコカス節」に分類されます。
生物学・分類学的ブルーベリーのポジション
真核生物(Eukaryota)
└植物界(Plantae)
└被子植物門(angiosperms)
└真正双子葉類(eudicots)※
└コア真正双子葉類(core eudicots)※
└キク類(asterids)※
└ツツジ目(Ericales)
└ツツジ科(Ericaceae)
└スノキ亜科(Vaccinioideae)
└スノキ属(Vaccinium)
└シアノコカス節(Cyanococcus)
└ブルーベリー(Blueberry spp.)※は階級なし
ブルーベリーの祖先は南アメリカで生まれたといわれています。
その後カリブ海を北上し、アメリカ東海岸に沿って北方へ広がりました。
それぞれの分類学的な要素が分かればブルーベリー栽培の助けになります。
それでは見てみましょう。
ツツジ科
全般的に酸性土壌を好む。一部の亜科を除き、菌根菌と共生し「ツツジ型菌根」を作る。
ツツジ型菌根とは!
植物の根の皮層細胞から土壌へ菌糸の伸ばし、土壌の栄養素を植物へ提供している。
他の菌根に比べて高い有機物分解能力を持っており、未分解の有機物が堆積しているような強酸性土壌で最も活発になる。
一般的には強酸性土壌では、重金属の溶脱が多く植物の育成には適さないが、ツツジ型菌根は重金属イオンの吸収を抑制し、植物の重金属中毒を防止している。
スノキ属
常緑あるいは落葉性で主に北半球の寒い地域に分布し、酸性土壌を好む。
世界に450種、日本には19種が確認されている。
ハワイやマダガスカルなどの熱帯地域や南半球に分布する種もある。
シアノコカス節
いわゆるブルーベリーの仲間。
- ハイブッシュブルーベリー
- サザンハイブッシュブルーベリー
- ローブッシュブルーベリー
- ラビットアイ
- ワイルドブルーベリー
の5種がこのグループに入ります。
日本の土壌で育ちやすいブルーベリーの近縁種との接木栽培は、今も専門機関や愛好家の間で積極的に試されているんだ。
ちなみに北アメリカ原産のブルーベリーをブルーベリーと呼ぶのは北アメリカや英語圏の国、日本など一部の国に限られるようです。
北欧ではビルベリー、ロシアではビッグネイルベリー、南米やアジアなどではハックルベリーや自生する青い実をブルーベリーと呼んだりするようです。
ブルーベリーの歴史
ブルーベリー年表 | |
1620以前 | 北アメリカの先住民族の間で食料・薬などとして用いられていたらしい。 |
1620~ | ヨーロッパから北アメリカ・マサチューセッツへの移民が、先住民族からブルーベリーの栽培・加工などの技術を教えてもらったらしい。(1620ということはメイフラワー号?) |
1860年代 | アメリカ独立(南北)戦争が勃発し、缶詰にしたブルーベリーが軍に供給されるようになった。これにより果実としての価値が高まり、栽培が試みられるようになった。 ほぼ同時期からハイブッシュの野生選抜品種による栽培が始まる。 |
1887 | ラビットアイの野生選抜品種による栽培が始まる。 |
1920 | ハイブッシュの栽培品種の誕生。(パイオニア・キャサリン・カボット) |
1930 | ヨーロッパでブルーベリーの栽培が始まる |
1950 | ラビットアイの栽培品種の誕生。(キャラウェイ・コースタル) |
1951 | 日本の農林省 北海道 農業試験場がアメリカ マサチューセッツ州立 農業試験場からブルーベリーを導入。(日本に初めて導入されたのはノーザンハイブッシュ) |
以後、現代まで栽培・品種改良が進んでいます。 |
※ここでの栽培品種とは「野生選抜種同士の交配による品種改良された株」の事です。
ブルーベリーも古代から食べられていたと思うんだけど、原産が北アメリカ:新大陸だった事もあって、近代以降にしか登場しないから目新しい感じがするのよ。
ブルーベリーの特徴
ブルーベリーといえば皆さんは何を思い浮かべますか?
友人に聞いてみたところ、多くの方がガムやアメ、アイスクリームなどのお菓子に含まれているブルーベリーでした。そして、ほとんどの方が「青くて甘酸っぱい」というイメージをしていました。
ここでは、ブルーベリーの特徴を「樹・果実・栽培」という3つカテゴリーでそれぞれまとめてみました。
木としての特徴
- 低樹高(1~3m)でブッシュ状に生育する
- 根は浅く、繊維状(ひげ根と言われます)
- 好酸性、好アンモニア性作物
果実の特徴
- 皮や種も丸ごと生食できる
食物繊維が多く、お通じに良いです。 - アントシアニン色素により青くなる
アントシアニン含有量は品種で異なります。野生品種に近いほど、アントシアニン含有量が多い傾向があるようです。 - 柔らかく貯蔵性や輸送性に劣る
市場に生果が出回りにくい。栽培技術や輸送技術の発達によりだいぶ解消されてきました。
栽培上の特徴
- 品種数が多い
100種以上の栽培品種があると言われています。
せらす果樹園では約25品種栽培しています。 - 日本各地で栽培できる
品種を選べば、北海道から沖縄まで生育できます。 - 生育可能な土壌は限られる
有機物の多い酸性土壌に限られます。 - 病気や害虫が少ない
よく言われていますが、いないわけではありません。 - 収穫に手間がかかる
房ごと収穫できるブドウと違って、一粒ずつ手作業です。
しかも果実が柔らかいので神経使います。
この二つの関係を「糖-酸比」って言うんだ。甘さやアントシアニン含有量は完熟に向かうに連れて増加していくけど、酸味は減少していくんだ。
まとめ
今日はブルーベリーはどのような植物なのか?という事について記事にしてみました。
正直にいうと、これらの知識はブルーベリーを栽培する上で必ずしも必要な知識ではありません。
しかし、栽培している植物の「生態・知識・歴史」を学ぶことは、ブルーベリー栽培の助けとなったり、より愛着がわく事になると思っています。
皆様にはブルーベリーを楽しみながら栽培して頂きたいと願っております。
それでは今日はこの辺で!
バイバイ!
今回の記事を書くにあたって
ブルーベリー全書
日本ブルーベリー協会編集 創森社Wikipedia
ブルーベリー 最終更新 2017年3月22日 (水) 02:51
生物の分類 最終更新 2016年12月15日 (木) 15:09
菌根 最終更新 2014年5月12日 (月) 10:59
Blueberry(英語版)last modified on 10 April 2017, at 16:06.参考にさせて頂きました。