※昆虫の写真があります。苦手な人は注意してください。
どうもこんにちは、せらすです。
今日は開花の状況と訪花昆虫について書いてみようと思います。
訪花昆虫
開花から約2週間。気温も上がってきて訪花昆虫もたくさん見られるようになりました。
ハナアブの仲間
肩にたくさんの花粉を付けています。
ハエの仲間
長い体毛に花粉がついていますね。
ハチの仲間
口吻(舌)を伸ばして採蜜している様子がわかります。
アリの仲間
アリも花冠の中にもぐりこんでいました。受粉を助けてくれているのかもしれません。
「花に訪れる昆虫」は訪花昆虫と呼ぶわけですが、
厳密に言うと、訪花昆虫は決まっています。
- ハチ(ハナバチ・マルハナバチ)
- ハエ(ハナアブ・ヒラタアブ)
- チョウ
- 甲虫
- ガ
これらを訪花昆虫と呼ぶわけですが、チョウ・甲虫・ガはブルーベリーの花にはあまり来ないようです。
この中でやはり優秀なのはハナバチ・マルハナバチです。何が優秀かと言いますと、
- 訪花した場所を覚える
- 訪花した花には一定期間来ない
- 花粉・蜜が多い花を選ぶ
- 力(ちから)があるので花冠の奥まで進入できる。
- 仲間を呼ぶ
と、言ったことが挙げられます。
ひるがえって、他の仲間を見てみますと
- アブ・ハエ:選ぶ花はランダム。しかし、低温に強く体が小さいため春先や小さい花の受粉には適している。
- 甲虫:体が大きいので小さい花の受粉には不向き。
- チョウ:口吻が長いため、おしべに触れずに花粉を運ばない事がある。
- ガ:嗅覚で活動する昆虫なので、芳香を持たない花の受粉はしない。
※ちなみにアリはハチの仲間で、採蜜目的で花冠に進入するようです。
というわけで、ブルーベリーの受粉にはハチや、その他の訪化昆虫が生存しやすく来やすい環境を作ることが重要ですね。
一口に言っても難しいですが、以前から言っているように農薬や施設に頼らない、自然に寄り添った農法が大切なんだと思います。
開花の状況
エメラルドが開花していました。
綺麗な釣鐘~壷形の花冠です。
エメラルドは果実のサイズ・状態共に良いのですが、扁平果の傾向があります。
(横から見ると楕円の形をした果実)
営利栽培だけの話ですが、出荷する場合は扁平果の方が容積効率が良いみたいで
同重量の場合、球形の果実にくらべてパックに隙間ができます。
見た目だけの問題なのですが、隙間があるとスカスカ感がして好きではありません。
クライマックスもようやく咲きました。
壷形の花です。赤い斑(まだら)が入った綺麗な花ですが、数日すると真っ白に変わっていきます。
こうしたブルーベリーの花が見れるのも栽培している人の特権ですね。
チャンドラーの花芽
写真に写っている裏側も含めて小花が11個ほど確認できました。
開花時期は晩成ですが、収穫時期は中生になります。
チャンドラーは味はそこそこで、30mm近い実がなる大玉品種ですが、出荷には向きません。
果実ごとのサイズのバラつきが多くて、規格品として出荷するには難しいのです。
せらす果樹園では規格外品として、初夏に時々出荷しています。
スミレの花
シロスミレかアリアケスミレか。
他の雑草もそうですが、名前の同定というのは思っているより難しいです。
「これは○○です」って1行書くのに数時間かけて調べるなんてことは珍しいことではありません。
ちなみに、よくみる一般的な紫のスミレの方が開花時期が早いようです。
道路端に咲いているスミレは4月の頭から咲いていました。
いつもの表
咲き始め (一番花) |
開花時期 始まり |
開花時期 終わり |
|
サファイア | 3/24 | 3/27 | |
ミレニア | 3/25 | 4/4 | |
スター | ↑ | ||
レガシー | ↑ | ||
ニューハノーバー | 4/3 | ||
ベッキーブルー | 4/6 | ||
ブリジッタ | ↑ | ||
サウスムーン | ↑ | ||
エメラルド | 4/9 | ||
クライマックス | ↑ | ||
ホトケノザ 3/14 タネツケクサ 3/14 ツクシ 3/21 オオイヌノフグリ 3/25 ムラサキサギゴケ 3/27 タンポポ 3/29 ヘビイチゴ 3/30 ノミノフスマ 330 カラスノエンドウ 3/30 スミレ(白)4/9 |
(2017年 広島県平野部において)
最後に
いかがでしたか?
今日はブルーベリーの訪花昆虫と開花状況について記事にしてみました。
写真には載ってませんが、せらす果樹園ではざっと見た感じ数百匹の訪花昆虫がきていました。
こうした訪花昆虫の助けなしではブルーベリーを栽培をすることはできません。
どうしても訪花昆虫がいなければミツバチなどはお金で買えるのですが、海外のミツバチは付近の生態系にダメージを及ばす(※)可能性もありますし、何よりお金がかかります。
※在来ミツバチとエサが競合したり、住みかが奪われたり、交雑して遺伝子レベルで影響を及ぼす事があります。
自然にやさしい農法をすることや、訪花昆虫の生態を知ることは、ブルーベリー栽培の助けになるはずです。皆様もぜひ訪花昆虫を観察してみてください。
それでは今日はこの辺で。
バイバイ!